第16回VR医学会学術大会 参加報告
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|◆ 第16回VR医学会学術大会 参加報告
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土井万由子(大阪電通大)
第16回日本VR医科学会学術大会は2016年9月3日(土)に横浜情報センターにて開催
された.大会では16件の一般講演の発表と三菱プレシジョン株式会社の練尾正美氏
による「シミュレータの基準と教育訓練」と題する特別講演が行われた.
一般講演では,様々な医療分野におけVR技術を利用した発表が行われ,その中で
も3D画像を用いたシステムを活用した手術についての報告では,脳手術や肝臓手術,
腎臓手術等の検証結果及び課題について詳しく報告された.また,力覚を提示する
シミュレータで使われる臓器の変形や反力精度を高めるために摘出後の臓器の3次
元形状計測値から物性同定を検討する発表は,新たな3次元形状計測の利用手法と
して興味深い内容であった.他にも聴診訓練システムに関する発表や,患者固有デー
タを利用した鏡視下手術シミュレータにおける教育用データ自動設定手法など,実
に面白い研究が多く発表された.質疑応答は,発表者にとって実に充実しており,
実際の手術での課題やアドバイスが多く出ていた.今後の研究の参考になることが
多かったように思う.
特別講演では,練尾氏からはシミュレータの歴史に富んだ話と,手術シミュレー
タが教育において不可欠なツールになるような今後の展開が非常に期待できる話な
どがあり,非常に興味深く示唆に富んだ講演がなされた.当初のプログラムでは2
件の特別講演が予定されていたが,事情があり急遽1件の講演はキャンセルされた.
こちらも抄録集を読むと是非聴講したい興味深い内容であった.
今回の大会では,医療分野におけるVR技術の利用範囲の幅の広さが改めて感じら
れた.プログラムの変更もあったが,一般講演の質疑応答にたくさんの時間が取れ
たため,終了時間は変わることなく実に有意義な大会となった.全体を通して今後
の幅広い医療分野との連携により面白い研究報告が増えていくことが期待できる大
会だったように思われる.
http://www.jsmvr.umin.ne.jp/conference/
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