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2015年7月29日

MMVR AND CARS 2015 参加報告

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|◆ MMVR AND CARS 2015 参加報告
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金 在檉(キム ゼジョン)(筑波大学)
 今年のMMVRはIFCARSとのジョイント・カンファレンスとなってISCAS,CAR
など6つの会議の合同会議であるCARS2015 Computer Assisted Radiology and 
Surgeryの1セクションとしてバルセロナで6月24日〜6月28日の5日間の日程で開催
された.期間中は,透明な青空が広がっていて日差しが強く,気温も30℃を越えた
が,湿気がないため不快感のないスッキリした暑さだった.
 カンファレンスはCARS2015の初日の午前中に行われ,130名程が参加した.全
8件の発表が予定されていたが,2件がキャンセルとなり最終的には6件(内1件は
招待発表)の発表が行われた. 
 発表内容を紹介すると,NASA AmesのAndrews氏は,神経調整にナノテクノロ
ジーを用いて,DBS(Deep Brain Stimulation)及びBMI(Brain Machine 
Interface)を強化する方法について発表した.脳深部刺激(DBS)は,プラチナ電
極を使用すると,パーキンソン病やジャストニアなど運動障害には効果が見られる
ものの,うつ病など気分障害を含む神経学的疾患については効果的ではなく,カー
ボンナノチューブ(CNT)アレイおよびカーボンナノファイバ(CNF)を用いたナノ
技術を使用することで,より正確な電気的+化学的介入が必要とのことであった.
なにより,1kg当たりコストが,従来のプラチナ電極が$30,000に対して,CNTアレ
イが$2で,比較にならない程の低コストであることに驚いた.10年後には脳にチッ
プを移植して脳をコントロール可能になる時代が近づいてくるということが筆者に
とって非常に興味深かった. 
 A. Mewes氏は,手術室で活用できる,タッチレスで操作可能なプロジェクション
ディスプレイの開発について発表した.このディスプレイは,Leap Motionを用い
て患者の3Dデータのスライスやズームなどのインタラクションを実現した.E. 
Abdi氏は,ロボット手術デバイスを効率よく制御するための戦略を評価した実験結
果を発表した.パソコンの画面上に現れている3つの図形モデルを捕まえて地面に
おくという単純なゲームを設定し,両手のみ(画面に2つの手)を使った被験者の
ゲーム成績と両手と右足(画面に3つの手)を使った被験者のゲーム成績を比較分
析した.3つの手を使った被験者の方がゲームの成績が高く,被験者は右足を使っ
た第3の手の操作にも簡単に慣れることができたが,意外なことに3つの手を使った
被験者の方が,精神的な疲れも低かったそうである.また,高度な神経分析のため
のウェブベースの生物生態エミュレーションツールを開発したP. Leskovsky氏は,
典型的な線虫の神経系全体を模擬して,神経科学における新しい計算パラダイムの
ケース・スタディを発表した.
 筆者はデザイン系の人間であるが,近年の脳科学の発展や将来にはAIの時代にな
るだろうと,未来社会を想像してみることができた楽しい経験であった.

http://www.nextmed.com/
http://www.cars-int.org/
Category: 学会参加報告

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