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2014年12月25日

WISS 2014 参加報告

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|◆ WISS 2014 参加報告
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中村裕美(東京大学)
 11月26~28日,浜松ロイヤルホテルにてWISS2014(第22回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ)が開催された.今年は40件が登壇発表として投稿され,うち13件がロングプレゼンテーション,7件がショートプレゼンテーションとして採択された.また53件のデモンストレーションに加え,10件の招待デモと企業展示が会場を賑わせた.招待講演は櫻田氏による『楽器インタフェイスの歴史と、新しい楽器への挑戦』と松田氏による『2045年問題・・・コンピュータが人類を超える日』であり,WISSでは初の2本の招待講演となった.
 WISSは参加者全員が同一のホテルに宿泊し合宿形式で行われる国内会議で,会議全体で活用されるシステムやナイトセッションによって密度の濃い3日間を過ごすことができる.例年活用されているチャットシステム『On-Air Forum』や『夕食席決めシステム』のほかに,今年は会議中使用されるシステムを募集するWISS Challengeとして聴衆の反応をライトの色で共有する『らじhue』システムが導入された.また,デモンストレーションを紹介するシステムも改良され,ゲストを交えたなごやかな進行でデモの概要を把握することができた.
 ナイトセッションではスポンサー企業によるプレゼンテーションのほかに,今年設立されたSIGSHY(消極性研究会)による議論セッションや,来年のCHIで開催されるspecial symposia『Emerging Japanese HCI Research Collection』に向けた議論も行われ,人によっては空が白みはじめるまで濃密な議論とコミュニケーションを楽しんでいた.また,SIGSHYのナイトセッションで議論に上がった発表者と聴衆それぞれが考えるターゲットユーザを可視化・共有するシステムが3日目から導入されるなど,会議内での議論から発生したシステムがスムーズに導入される点も,WISSの特徴である.
 もちろん興味深い研究も数多く発表された.最優秀論文賞である加藤らの『TextAlive: インタラクティブでプログラマブルなKinetic Typography制作環境』や優秀論文賞の小山ら『視覚デザイン探索のためのクラウドソーシングを活用したパラメタ空間解析』も議論が白熱したが,個人的に記憶に残ったのは発表賞を獲得した萩原らの『シースルー型HMDを用いた社会福祉学的アプローチに基づく“視線恐怖症的 コミュ障”支援システムの開発』であった.対人・視線恐怖を有する第一著者による発表および質問者との対面の議論を遠巻きに,暖かく,そして緊張感を持って迎えた瞬間は,会場に密かな一体感が生まれた瞬間であった.
 次回のWISS2015は別府(大分県)で開催される予定である.興味をお持ちの方はテレプレゼンスシステムでもよいのでぜひ会場に足を運んで,WISSの空気を体感していただければ幸いである.
http://www.wiss.org/WISS2014/

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