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2013年12月26日

WISS2013 参加報告

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|◆ WISS2013 参加報告
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 芥川洋平(京都工芸繊維大学)

 2013年12月4~6日にかけ,高知県のザ クラウンパレス新阪急高知に
て,WISS2013(第21回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワーク
ショップ)が開催された.様々な地方から研究者・学生・企業人が集まり,参加者
は約180名にのぼった.今回の登壇発表には66件の投稿があり,そのうち19件(採
択率29%)が採択された.またデモ・ポスター発表は62件あり,そのうち論文が投
稿されたものは46件であった.
 オープニングでまず,今回の論文採択数の発表やWISS恒例のチャットシステムの
利用についての説明などがあり,その後は3日間にわたって登壇発表とデモ・ポス
ター発表が行われた.デモ・ポスターセッションの開始時には,各発表者による研
究紹介のための時間が1分間ずつ設けられており,登壇発表だけでなくこちらも
Ustreamやニコニコ生中継にも配信された.私は初日にポスター発表を行ったが,
ポスターでの対外発表は初めてだったため少し緊張したものの,WISSならではの気
軽な雰囲気の中さまざまな意見を頂け,有意義な時間を過ごせた.
 登壇発表では,最優秀論文賞を受賞した李らによる「SmartVoice:言語の壁を越
えたプレゼンテーションサポーティングシステム」などの発表があった.会場内で
チャットシステムが運用され,登壇発表中にも厳しい意見なども飛び交っていた
が,発表終了後の質疑応答も非常に活発で,セッション終了後に設けられていた発
表時間外の質疑応答の際も多くの意見交換が行われていた.
 また招待講演では,京都大学の石田亨先生による「智猶水也:研究構想の経験か
ら」についての講演があった.構想を十分練ることを重視したご自身の研究に対す
る姿勢について語られ,最近一発芸が多いと囁かれるインタラクション系研究に刺
激を与える内容だと感じた.
 3日間の発表の中で特に印象に残った発表の1つとして,発表賞を受賞した崎山ら
による「料理画像をアニメーションすることによる魅力的な料理動画生成システ
ム」が挙げられる.美味しそうな料理の静止画に泡や食材の動きのエフェクトを付
けることで,より一層美味しそうと感じる画像を生成するシステムであり,実際に
私もそのように感じることができた.立て続けに現れる鍋の画像から発表者の鍋へ
の愛情が垣間見える発表で,会場内の盛り上がりも最高潮であった.
 さらに,発表以外の時間にも様々な活動が行われた.夕食では会場のホテルで参
加者全員が集まり8人がけの円卓を囲んだが,その座席を決めるにあたり西田らの
開発した「WISS2013夕食席決めシステム」が運用された.これは,事前に「あの人
と話したい」などの希望を事前に入力しておくことで,その希望を反映した座席が
決定されるというものである.私も自身の研究分野に近い先輩研究者と同じ円卓に
座ることができ,アドバイスを頂くなど非常に有意義な時間を過ごすことができた.
 また,食後から深夜にかけてナイトセッションが設けられ,研究以外の個人の趣
味趣向が強く主張されているプレゼンテーションが見れたり,普段交流しないさま
ざまな方とお話することができた.WISSのこのようなイベントは,新しい研究テー
マに対する刺激が得られる他では得難い貴重な場であると思う.
 次回の開催場所や日程はまだ決定していないが,今年も含め例年Ustreamやニコ
ニコ生中継での動画配信が行われているので,楽しみにしたいと思う.

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