UIST2013 参加報告
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|◆ UIST2013 参加報告
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大出慶晴(電気通信大学)
26TH ACM Symposium on User Interface Software and Technology (UIST) は
イギリス・スコットランドのST ANDREWSにて,2013年10月8日から11日まで開催さ
れた.
UISTは革新的なユーザインタフェースが取り挙げられる著名な学会の一つで,
シングルトラックでの口頭発表の他,デモ発表やポスター発表といった発表形式
が採用されているため,研究者同士の交流が非常に盛んに行われるといった特徴
がある.本年度の論文投稿数は317 件あり,そのうち62件が採択された.会議全
体の参加者は400人程で,その内訳はヨーロッパと北米が共に37%でアジア・オセ
アニアが24%であった.
口頭発表は三日間かけ各分野のセッションごとに分けて開催され,デモ発表は
二日目の夜に開催された.ポスター発表については,今回は三日目と四日目の二
日間にわたって開催され,一日二回ずつ発表の場が設けられた.会場となったST.
ANDREWS大学の非常に長い歴史のある音楽堂やホールの荘厳な雰囲気を感じつつ
も,興味深く新しい研究成果に数多く触れることが出来た.
今年のBest Paperには3件が選ばれた.Makoto OnoらのTouch & Activateは,振
動スピーカと圧電マイクのペアをセンサとして用いることで様々な物体について
非常に多岐にわたる接触パターンや状態の検出を実現可能とするものであった.
Lining YaoらのPneUIは,空気圧により形状を様々に変化させることが可能な柔軟
素材を入力検出と形状変化による出力装置として用いるもので,様々な構成のア
プリケーションが紹介されていた.佳作にも3件が選ばれた.特にMustafa Emre
KaragozlerらのPaper Generatorsは,紙状のインタフェースに対するユーザのジ
ェスチャを利用したエナジーハーベスト技術により,本や印刷物に電子情報をイ
ンタラクティブに提示させることを可能とするもので,多くの注目を集めた.他
の口頭発表も大変興味深く,発表中の動画でシステムが実際に動作する様子が流
れると会場中から拍手が起きていた.また,口頭発表で紹介された内容の多くは
デモ発表で実際に体験でき,実際のシステムを体験しながらより深い議論を研究
者と直接交わすことが出来た.
次回は2013年10月5日~8日の4日間,世界有数のリゾート地ハワイで開催予定で
ある.
http://www.acm.org/uist/uist2013/
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