Pervasive2012 参加報告
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|◆ Pervasive2012 参加報告
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藤井陽光 (立命館大学)
6月20日から22日まで,イギリスのNewcastleでユビキタスコンピューティング分
野における最高峰会議の一つであるInternational Conference on Pervasive
Computing(Pervasive)が開催された.去年に引き続き,ウェアラブルコンピューテ
ィング分野の会議であるInternational Symposium on Wearable Computers(ISWC)
との共同開催となった.なお,Pervasiveは今回で10回目の開催となった.
期間中7つのセッションで合計29件の発表があった.日本からは,日常家庭内行
動のセンシングに関してNTT CS研から2件,複数ユーザの移動認識に関して,KDDI
研究所から1件と大阪大学東野研究室から1件,機械学習による行動予測に関し,東
京大学の佐藤・下坂研究室から1件のフルペーパーが採択された.去年と同様に日
本人の発表が目立った.また,デモでは22件,ポスターでは10件の発表があり,活
発な議論がなされた.
Pervasive2012のBest paper award かつ Best Student Award は Microsoft
ResearchのDavid Molyneaux 氏らが発表した”Interactive environment-aware
handheld projectors for pervasive computing spaces”が受賞した.屋内空間で
携帯型プロジェクタを使って投影されたコンテンツをインタラクティブに操作する
技術に関する内容であった.デバイスの位置,オリエンテーションを把握するため
の3D空間認識を環境側から認識する方式とユーザの携帯するデバイスから認識する
方法の2つで実装している.部屋の中の壁や家具など3D形状認識を活用して,今ま
でにないレベルでユーザ周辺の環境にリアルタイムでマッチした映像コンテンツを
提供し,インタラクティブに操作することに成功した.
なお,Pervasiveは今回で最後の開催となり,来年からはInternational
Conference on Ubiquitous Computing(Ubicomp)と統合される.来年は,スイスの
チューリッヒで開催されるとのこと.
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