SI2025
細井十楽(東京大学)
第26回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会 (SI 2025) は12月10日から12日までの3日間,平和記念公園内の広島国際会議場にて開催された.各投稿について,1分間の口頭発表と,その後インタラクティブセッションとしてポスター発表が行われた.今年度の発表件数は1292件,参加者は1925名にのぼり,いずれも過去最大であった.参加人数が非常に多く,和気あいあいとした賑やかな学会であったが,会場の規模感やポスターと休憩所の配置・動線といったセットアップが行き届いており,快適に発表を聴講することができた.この場を借りて,運営の方々にお礼申し上げたい.
筆者の所属する割澤・福井・米谷・伴研究室からは5件の発表を行ったが,七久保萌らの「農業機械の遠隔操縦を通じてギグワーカの農業参画を促すサービスの実現に関する基礎検討」といったフィールドロボットの分野から, 郭凱らによる「VR 環境におけるレンダリングスタイルが両眼ハイライト視差と光沢知覚に及ぼす影響」などのVR環境における知覚に関する研究まで,発表テーマは多岐にわたっていた.会場内では,それぞれの発表について盛んなディスカッションが行われており,本講演会が多様な研究分野の発表の場となっていることがうかがえた.
インタラクティブセッションにおいて,筆者にとって特に印象に残った発表として,国立印刷局の福田聖氏・堀内直人氏らによる「触感による凸状印刷物の識別性の向上に関する研究」が挙げられる.本発表では,日本銀行券(いわゆる日本の紙幣の「お札」)を対象に,触覚的な識別において従来用いられていた触知識別マークの“形状”のみならず,“位置”を併用することで,識別精度および識別時間の双方が向上することを示唆する結果が報告された.この成果は,実際に2024年7月からの新札(F券)にも採用されている.ポスター発表の会場では,聴講者らがそれぞれ自身の財布から紙幣を取り出し,互いに指で擦りながら確認し合う様子が見られた.このような光景はSIという学会の良さが垣間見えるように感じられた.
来年度のSI2026は2026年12月8日から10日にかけて,大阪市グランキューブ大阪にて開催される予定である.
公式サイト: https://sice-si.org/si2025/

















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