ISS 2024
石田 瑞季(お茶の水女子大学)
2024年10月27日から30日にかけて,カナダ・バンクーバーにてACM ISS 2024
(2024 ACM Interactive Surfaces and Spaces Conference)が開催された.本会
議は新しいインタラクティブサーフェスおよびインタラクティブスペースの設計か
ら仕様に関する国際会議である.今回は3件のKeynotes,29件の口頭発表(Full
Paper),11件のポスター発表,7件のデモ発表などが行われた.口頭発表は対面で
の発表に加えて,Zoomを用いたオンライン発表と,Discord上で発表動画を共有す
る非同期発表のトライブリッド形式で実施した.
本年度の投稿数はFebruary Roundが51件,July Roundが69件であり,February
Roundでは11件(21.6%),July Roundでは18件(26.1%)がminor revisionを経て
採択された.なお,ISSではmajor revisionとなった論文を次の投稿回に招待する
形式を採用しており,本年度では18件(35.3%)がJuly Roundに,29件(42.0%)が
ISS 2025のFebruary Roundに招待された.
Best PaperにはZengらの「GestureGPT: Toward Zero-Shot Free-Form Hand
Gesture Understanding with Large Language Model Agents」が選ばれた.これ
は,ジェスチャーと大規模言語モデルを組み合わせ,自由形式のジェスチャーの推
論が可能なフレームワークを提案した論文である.その他,Honorable Mentionが2
件,Best Posterが1件,Best Demoが1件表彰された.
筆者は口頭発表とデモ発表の2つの発表を行った.口頭発表で研究の背景や事前
調査の結果を伝えた上で,デモ発表にて実際に提案システムを体験してもらうこと
で,より細部まで研究内容を伝えられたと感じた.新たな視点からの意見や,関連
研究を教えていただくなど,今後研究を深める上で貴重な経験となった.
本年度は日本からの参加者がカナダ,アメリカに次いで3番目に多かった.来年
度の開催地は現時点では発表されていないが,来年度も日本からの参加者が多いこ
とを期待したい.
公式サイト:https://iss2024.acm.org/