HOME » 学会参加報告 » SIGGRAPH2024
2024年10月25日

SIGGRAPH2024

白川 太地(慶應義塾大学)  

第51回 SIGGRAPH(https://s2024.siggraph.org/)が 2024年7月28日から8月1日に, アメリカ・デンバーで開催された.パンデミック後,制限のない形で多くの参加者が再び集まり, 会場は活気に満ちていた.会場では例年通り,最新の CG 研究発表が行われる Technical Papers, 企業や大学のグループが機材を持ち込んでデモを行う Emerging Technologies, 企業展示ブース,VR シアターなど多くの見どころがあった.  今年の SIGGRAPH では,生成 AI に関連した研究が多く見られ,業界全体の注目度の 高さを実感した.特に話題となったキーノート対談では,NVIDIA の CEO と Meta の CEOが 対談し,生成 AI の現在と未来について熱く語り,大きなインスピレーションを得ることができた.  私は今回,Emerging Technologies にて「The Malleable-Self Experience」プロジェクト の 一員として参加した.Emerging Technologies では,最先端の技術が数多く展示されて おり,刺激的な時間を過ごすことができた.中でも,Google の「Project Starline」は,ビデオ 通話の相手がまるで目の前にいるかのような感覚を生み出す革新的な技術であった.実際に体 験した際には,未来のビデオコミュニケーションを垣間見たような気がした.このプロジェクトは DCAJ Award を受賞し,多くの注目を集めていた.遠隔地にいる相手と自然なコミュニケーション が可能なこの技術は,今後のビデオ会議システムのスタンダードになる可能性が大いにある.また, 私と同じ所属のプロジェクトを褒めることになり恐縮ではあるが,「FEELTECH Wear」が Laval Virtual Award を受賞した.バーチャルオブジェクトとリア ルオブジェクトの両方とのハンドインタラク ションをシームレスに実行できるシステムで,リアルな触覚フィードバックを体験できた.2024 年の Emerging Technologies セッションでは,ロボティクス,機械学習,拡張現実など,多岐に わたる分野で新しいアプローチやアイデアに触れることができ,「次はどのような技術が登場するのか」 という期待を抱かせる内容であった.  来年の SIGGRAPH 2025(https://s2025.siggraph.org/)は,2024年8月10日から8月14日 にかけて,カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバーで開催される.そこでどのような新しい技術に 出会えるのか,すでに楽しみにしている.今回の体験を糧に,私自身もさらなる研究と技術開発に 励み,次回の SIGGRAPH で新たな成果を発表できるよう努力したい.

公式サイト:https://s2024.siggraph.org/

Category: 学会参加報告