Augmented Humans 2023
中村純也(豊橋技術科学大学)
2023年3月12日(日)〜14日(火)にかけて,英国のグラスゴーにて,Augmented Hum
ans 2023が開催された.会場はグラスゴー大学のAdvanced Research Centreであっ
た.この学会は,人間とコンピュータ,デバイス,そして周辺環境との相互作用に
焦点を当てた国際学会であり,VRやAR,ウェアラブルデバイス等と親和性が高い.
1日目はワークショップとレセプションパーティーが行われ,2日目にはオープニ
ングと基調講演,論文発表,ポスター発表,デモ発表が,3日目には論文発表,ポス
ター発表,デモ発表,クロージングが行われた.
基調講演は,University of the Bundeswehr MunichのFlorian Alt氏による講演
であった.タイトルは「Behavior and physiology-aware user interfaces for se-
curity」で,我々が普段利用する端末を介したログインなどのセキュリティーにつ
いて,生体的特徴や信号の計測を用いて個人を識別・認証する手法を紹介し,どの
ように認証系のインターフェースを設計できるかについて解説するものであった.
論文発表では,28件の採択があり,そのうち25件がフルペーパー,3件がショート
ペーパーであった.採択率は38%で,Best Paperは吉田らの「TOMURA: A Mountable
Hand-shaped Interface for Versatile Interactions」,Best Paper Honourable
Mentionは宮崎らの「Visuospatial Abilities and Cervical Spine Range of Mot-
ion Improvement Effects of a Non-Goal-Oriented VR Travel Program at an Old-
er Adults Facility」であった.
ポスター発表では,17件の採択があり,採択率は58%で,Best Paper Honourable
Mentionは小池らの「Brain-Computer Interface using Directional Auditory Pe-
rception」,Best PosterはLiらの「First Bite/Chew: Distinguish Typical Alle-
rgic Food by Two IMUs」であった.
デモ発表では,Best Local DemoはAI-Taieらの「A Virtual Reality Cycling Si-
mulator」,Best DemoはMacdonaldらの「Conducting and Mitigating Portable Th-
ermal Imaging Attacks on User Authentication using AI-driven Methods」であ
った.
論文とポスターの双方において,日本からの投稿が多く,会場の半分は日本人で
あった印象である.これはオープニングで言及されるほどであった.会場の雰囲気
はとても和やかで,会場のワンフロアで全てが収まっており,全ての論文やポスタ
ー発表を見られるほどであり,手頃な規模感の学会であった.
最後に日本からのアクセスについて注意を一点,私自身や周辺の日本人参加者の
一部でロンドンヒースロー空港での預け荷物の遅れや航空機の遅延が発生し,会期
中の滞在にいくらか問題が発生した.3月のイギリスは積雪もあり,すぐに防寒着が
必要であった.またコンセント変換アダプタ,最低限の着替えは手荷物で機内に持
ち込むことをお勧めする.
来年度はオーストラリアで開催される.
公式サイト:https://augmented-humans.org/