ROBOMECH 2019 参加報告
田中敬(東京大学)
2019年6月5日から8日にかけてロボティクス・メカトロニクス講演会2019 (ROBOMECH 2019)が,平和記念公園内の広島国際会議場で開催された.本年のテーマは「産業を再興するロボティクス・メカトロニクス」.7件のワークショップ,1326件のポスター発表が行われ,参加者も約2100名を超えた.またポスター発表と同時に企業展示ブースも置かれ,多数のロボットや計測システムなどのデモを見ることができた.
ポスター発表は6日と7日の2日間に渡り開催され,ロボットマニピュレーション,ソフトロボティクス,移動ロボット,ロボットの産業応用を初め,身体拡張・VR・触覚などのインターフェイス関連まで幅広く発表が行われていた.
発表の中で筆者が興味深いと感じたのは,「ソフトロボット学/フレキシブルロボット学」のセッションと「触覚と力覚」のセッションである.「ソフトロボット学/フレキシブルロボット学」のセッションでは約30件の発表があり,様々な種類の生物模倣型ロボットや人工筋肉などのソフトアクチュエータを見ることができた.「触覚と力覚」のセッションでも約30件の発表があり,ロボット応用の力覚から,触覚を用いたインターフェイスなどの発表を見ることができた.これらのセッションで特筆したいのは,ポスター発表だけではなく,多くの発表で実際に開発された現物を見ることができたという点である.実際に開発された機器を見ながら議論をできたのは,発表を聞く側としても非常に有意義な時間を過ごせた.
筆者は今回ポスター発表を行った.発表では多くの学生・先生・企業の方々に見て頂き,有意義で活発な議論ができたことに加え,研究の今後に活かせるフィードバックを多く頂くことができた.多種多様な分野を専門に持つ研究者が参加していることから,ロボットと異なる専門を持つ研究者からもフィードバックを貰うことができ,また企業の方も多く参加していることから,実際に研究を社会応用することに対する貴重な意見も頂くことができた.ポスター発表は全体を通して活発に議論が行われており,筆者は今回が初参加であったが,非常に質問や議論がしやすい雰囲気を感じた.
次回のROBOMECH2020は石川県金沢で開催される予定である.
公式サイト: http://robomech.org/2019/