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2016年12月27日

ASIAHAPTICS 2016 参加報告

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|◆ ASIAHAPTICS 2016 参加報告
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金子 征太郎(電通大)
 2016年11月29日から12月1日の3日間にかけて,千葉県,柏の葉カンファレンスセ
ンターにてAsiahaptics2016が開催された.今年で2度目となる本会議は,すべての
発表がデモ展示という非常にユニークな形態となっており,参加者がお互いのデモ
を楽しみながらも熱い議論が交わされていたことが筆者の印象に深く残っている.
 本会議では90件のデモが採択された.前回と比較すると32件の採択数の増加が
あり,会議規模が大きくなっていることが伺える.
 3日間のうち,初日は2つのWorkshopと1つのTutorialが行われ,残りの2日間でデ
モ展示が3パートにわけられて行われた.筆者が参加した初日のTutorialでは,”Pe
rceptual Evaluation Methods For Haptics Research”と題し,触覚研究の実験方
法に関してのスピーチが4人の登壇者によって行われた.これらは触覚分野の根本
となる部分について様々な視点から解説され非常に興味深い内容でまとめられてい
た.
 審査員によって選ばれるGold Awardを受賞した発表は,” A novel multimodal
tactile module that can provide vibro-thermal feedback” であった.これ
は,振動を呈示する小型の振動子と,温感を呈示するペルチェ素子を組み合わせ,
事前に記録した触感を振動と温感の2つから再現するといったデバイスである.
 また,観客の投票によって選ばれるPeople’s Choice Awardを受賞した発表は,
”Substituted Force Feedback using Palm Pressurization for a Handheld Cont
roller” であった.これは手のひらに対して圧をかけることにより擬似的な力覚
が発生することを利用して,ゲームコントローラーにそれを応用したものになって
いる.実際のデモでは,ゲーム中で戦車が山を乗り越える際に,コントローラから
手のひらに対して圧が加えられるものとなっていた.
 その他Mention Awardとして幾つかの発表が表彰された.その中でも,” Encou
tered-type Visual Haptic Display Using MR Fluid” は非常に興味深い発表で
った.
これは,手術中の皮膚や腫瘍の切断感を再現するため,磁場をかけたMR流体を用い
て,それをナイフで切るといったものである.切断するときの抵抗力は磁場を変化
させることによって自由に変更が可能であり,まるで糸を切ったような感覚も提示
することが可能であった.アイディアも素晴らしいが,実際の体験も洗練されてい
た.開催期間中はデモ展示だけではなく,Plenary TalkやIndustry Talkなど刺激
的な話を聞く機会があった.非常に,会議の内容も,発表の体験も濃い3日間であ
った.
 次回のAsiahaptics2018は韓国にて開催予定である.

http://asiahaptics.vrsj.org/2016/

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